ケーススタディ:
Maplesoft の計算ツールで世界中のプロジェクトの効率を向上させたエンジニアリング企業

このケーススタディでは、国際的な総合エンジニアリング企業が、使用している標準的な計算方法やツールが体系化されていないことで生じるビジネス上の課題を克服するために、Maplesoft の技術をどのように利用しているかを示しています。細部には改変があり、企業名は仮名ですが、Maplesoft 製品の使用方法については実際と同様に描かれています。
さらに、Maplesoft が提供するグローバルライセンスは費用対効果が高く、エンジニアはニーズやプロジェクトに応じて異なる Maplesoft ツール間でスワップすることが可能です。短期間のプロジェクトであれば、ネットワークインストールしたライセンスを使用することもできますし、ライセンスのクラスタをサーバーから別のサーバーに移動させることも可能です。
このケーススタディでは、GEC の様々な国際グループにおける Maplesoft の技術の活用方法についてご紹介します。
欧州の天然ガスへの依存度を最小限にするために原子力発電が推進されており、GEC の英国を拠点とする構造グループは、20〜30年にわたる長期の原子力プロジェクトに携わることになりました。
それまで使われていた計算ツールは Excel® でした。Excel を使用していた時は、Excel からMicrosoft® Word に計算結果を手作業で転記して報告書を作成していましたが、これは面倒でミスの多いプロセスでした。また、パラメータが変更された場合、エンジニアは結果を書き写して報告書を更新しなければなりませんでした。
現在、チームは Maple Flow™ を使用して、国際的に認証された基準に則ったコンクリート構造設計を含む解析が組み込まれた、読みやすい計算報告書を作成しています。彼らは、解析の助けとなるよう、再利用可能な断面特性(Section Properties)のライブラリを作成しました。手作業による転記は必要ありません。
この仕事は規制が厳しいため、計算結果はプロジェクト期間中(20~30年)、監査可能で追跡可能である必要があります。Maple Flow ドキュメントは、計算結果、可視化した表現、テキスト、画像をひとつのドキュメントにまとめているため、計算の背後にある工学的根拠が明確に伝わり、エンジニアがプロジェクトから離れたときに知識が失われるリスクを軽減できます。パラメータが変更されると、すべての結果が自動的にドキュメントに反映されるため、別の計算文書を手動で更新する必要もありません。中には30ページを超える報告書もあり、従来は作成と更新に時間がかかっていましたが、Maple Flow は計算報告書作成にかかる時間を75%削減しました。
Maple Flow は世界で最も強力な数学エンジンをベースに作られていますが、GEC の土木設計実習プログラムで使用するのに十分なシンプルさも兼ね備えています。設計実習生とは、ヨーロッパ規格の梁の荷重計算など、簡単な解析作業を行う学生です。また、シニアエンジニアも、Maple Flow で作業することでより簡単にチェックできるようになりました。
中国のある橋梁設計グループは、橋梁床桁の設計を代表とする設計計算に Excel を使用していました。しかし、Excel のスプレッドシートはデバッグや共有が難しいため、このグループは設計計算を Maple Flow に移行することを選択しました。この変更により、計算ミスが完全になくなり、また、文書化のために Excel から Word に計算を転記するという手作業も完全になくなりました。その結果、計算の信頼性が向上し、計算ミスが20%減少しました。
このグループは、Maplesoft の中国を拠点とするエンジニアによってトレーニングを受けました。トレーニングでは、Maple Flow に組み込まれた単位のサポートを活用し、標準的な設計基準にある次元に一貫性のない経験式を、次元を考慮した環境に実装する方法を学びました。
チームの分析には、大規模なデータファイルのプロット、操作、分析が含まれます。Maple は、解析の高速化とメモリ効率の向上を実現します。さらに、自動並列処理とマルチプロセス・プログラミング・ツールにより、ローカルコンピュータのすべてのコアに分析を分散させることができます。マルチスレッド化された Maple の各分析は、Excel の2倍、Python スクリプトの1.5倍の速さで計算します。
鉄道部門の共同グループは、Maple を使用して、Maple 言語によるカスタムアルゴリズムを開発しています。これらのアルゴリズムの一部は、サードパーティのツールに組み込むために、Maple のコード生成ツールを使ってC言語プログラミングにエクスポートされます。
同グループでは、Maple Flow を使ってまずラフに描いた技術的なアイデアを、徐々に計算を洗練させていくことで形にしていきます。Maple Flow は、そのホワイトボードのように使える環境で、問題解決によく使われるこのような反復的なアプローチをサポートし、同時に、計算が正しいかどうかを確認することができます。また、Maple Flow は、次のステップへの洞察につながる包括的な可視化を行うこともできます。
MapleFlow がお客様のプロジェクトにどのように役立つのか、Maplesoftにお問い合わせください。