頭単項式、頭係数、頭項の定義
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説明
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最近の Groebner 基底論において用いられる用語は、David Cox, John Little, Donal O'Shea による著書 "Ideals, Varieties and Algorithms, Springer-Verlag, (1992)" で用いられているものです。Maple 10 より前のヴァージョンでは異なる、矛盾した規則で用いられていました。特に現在、頭単項式と呼んでいるものは以前は頭項と呼ばれていました。
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単項式とは、固定された集合 X の変数を、繰り返しも含め、掛け合わせたものを指します。単項式の係数はいつも 1 とします。
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(X に関する) 多項式の項とは、X の単項式と (X に関する次数が 0 の) 係数との積を指します。係数には X に含まれない変数 (不定元) を含めることもできます。例えば他の変数の有理関数は係数とすることができます。
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ある 単項式順序 (monomial order) に関する "頭項" とは、係数が 0 でない、単項式順序で最も順序の大きい単項式を持つ項を指します。この項の係数、単項式はそれぞれ "頭係数", "頭単項式" と呼ばれます。
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LeadingTerm コマンドは実際には項を出力せず、出力は (leading coefficient, leading monomial) の形ですのでご注意ください。この仕様は今後リリースされる Maple では変更される可能性があります。
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例
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f := 5*x^3*y + x^2*w^2*t + 5*x^3*y*z*t - 2*x*z*w^3*t + 3*y^2*w^3*t;
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| (2.1) |
以上の定義に従い、x > y > z > w > t なる辞書式順序に関する f の頭係数、頭単項式、頭項をそれぞれ計算します。
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LeadingCoefficient(f, plex(x,y,z,w,t));
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| (2.2) |
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LeadingMonomial(f, plex(x,y,z,w,t));
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| (2.3) |
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`*`(LeadingTerm(f, plex(x,y,z,w,t)));
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| (2.4) |
Maple 10 より前のリリースでは Groebner[leadmon] コマンドは、現在 LeadingTerm で、 Groebner[leadterm] コマンドは、現在 LeadingMonomial で計算されるものが返されていました。
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leadcoeff(f, plex(x,y,z,w,t));
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Warning, Groebner[leadcoeff] is deprecated. Please, use Groebner[LeadingCoefficient].
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| (2.5) |
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leadterm(f, plex(x,y,z,w,t));
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Warning, Groebner[leadterm] is deprecated. Please, use Groebner[LeadingMonomial]. See ?Groebner,terminology for details.
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| (2.6) |
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`*`(leadmon(f, plex(x,y,z,w,t)));
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Warning, Groebner[leadmon] is deprecated. Please, use Groebner[LeadingTerm]. See ?Groebner,terminology for details.
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| (2.7) |
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