リストまたは式列を使用して int を一度呼び出すことで、複数の定積分を計算することができます。リストと式列は通常同一に取り扱われますが、不定積分の場合、変数を他の積分オプションと混乱しないようにするにはリストの方が安全です。

int(x+y, [x=0..1, y=0..1]);

int(x+y, x=0..1, y=0..1);

int((x,y)->x+y, [0..1, 0..1]);

int((x,y)->x+y, 0..1, 0..1);

複数の不定積分も、diff に同様の表記を用いて計算することができます。

diff(int(x+y, x, y), x, y);

int(x+y, [x,y]);

method オプション使用して、内部積分ルーチンの選択が可能です。使用可能な方法の詳細については、 int,methods を参照してください。

int(1/sqrt((1-t^2)*(1-2*t^2)), t=0..1, method=FTOC);

int(1/sqrt((1-t^2)*(1-2*t^2)), t=0..1, method=Elliptic);

ある方法を使用しても結果が返されない場合、指定した method オプションと共に未評価の int の呼び出しが返されます。

int(1/sqrt((1-t^2)*(1-2*t^2)), t=0..1, method=Polynomial);

また、数値積分を実行する  int の新しいオプションもあります。詳細については、 Numerics Updates in Maple 13 を参照してください。

Maple 13 では、 erf、 Ci,、Si、FresnelS 、 FresnelC 積分を含む積分の処理機能が改良されています。

以下の定積分は、旧バージョンでは計算不可能でした。

int(x*erf(x)*exp(-x^2), x);

int(x^3*erf(x)*exp(-x^2), x);

int(Ci(x)*sin(x), x);

int(Si(x)*cos(x), x);

int(FresnelS(2*x)^2, x);

int(FresnelC(2*x)*cos(2*Pi*x^2)*x, x);

この3 つのコマンドで、単項式順序 plex、 grlex、tdeg がサポートされるようになりました。mo が上記の 3 つの名称のうちの 1 つであり、 x,y, ... が変数名である形式 order=mo(x,y,...) の 2 つ目の引数を使用して指定することができます。詳細については、 lcoeff  および  sort を参照してください。

f := 4*x^3 + 5*x^2*z^2 + 2*x*y^2*z + 1;

(lcoeff,tcoeff)(f, order=grlex(x,y,z));

sort(f, order=tdeg(x,y,z));

lcoeff  および  tcoeff の効率も改良されています。詳細については、 Efficiency Improvements in Maple 13を参照してください。

solve はオプションとして、動作に影響を与えるすべての環境変数を引き受けます。すべてのリストについては、 solve,details を参照してください。

solve(x^4-1);

solve(x^4-1,MaxSols=1);

solve は、新オプション  UseAssumptions も引き受けるようになりました。このオプションにより solve は、独立変数に関する仮定を追加の等式および不等式に適用する処理を実行します。

solve(x^4-1, 'UseAssumptions') assuming x>0;

solve(x^4-1, 'UseAssumptions') assuming abs(x)<>1;

solve は、trig および arctrig 関数を含む不等式に解を返します。

solve(sin(x)>0);

solve(arcsin(1/x)>0);

solve(arcsin(1/x)*sin(x-3)*cos(x+3)>0);

RealDomain:-solve は、  RegularChainsの新しいサブパッケージ SemiAlgebraicSetTools  を使用して、有限多数な解を持つ多項式系および有理関数系を解きます。この機能により、Maple の旧バージョンで作成される解より、各段に優れた解を作成することできます。

RealDomain:-solve({x^9+x+y,1/y^2-1},{x,y});

evala/Gcd コマンドの効率が改善されました。Efficiency Improvements in Maple 13を参照してください。

モジュラー形式の多変量多項式の展開および分割を行う、Expand および Divideコマンドの性能が改良されました。Efficiency Improvements in Maple 13を参照してください。