Space Systems - Engineering Solutions - Maplesoft

システム設計のためのデジタル検証環境

~システムシミュレーションと数式処理の活用~

宇宙環境で利用されるシステムは非常に複雑で、かつ過酷な環境下で動作することが要求されます。そのシステム設計では、制御系を含むことがほとんどで、段階的に様々な検証が必要とされます。それらに対応するため、シミュレーションを活用することで、物理的なプロトタイプの構築を最小限に止め、効率的にシステム検証を実施することが可能になります。

MapleSim によるデジタル検証環境の構築
システムシミュレーションツール MapleSim は、システムの設計検討における検証効率化と、効果の最大化に寄与します。Maplesoft が提供する MapleSim では、機械、電気、熱、流体などの物理ドメインからなるシステムを 1D CAE モデルとして構築することが出来ます。また、その高度計算エンジンにより、高速シミュレーションの実行や、数式処理の利用を実現し、モデルベース開発 (MBD) やシステム設計におけるデジタル検証を強力にサポートします。

イノベーションに向けたエンジニア間の対話とシミュレーションモデル
宇宙向けのシステム開発は今後より発展していくと考えられます。エンジニアや関係者が、開発に関係する情報を適切かつ迅速に共有することで、活動が加速し、イノベーションの実現に向かいます。シミュレーションモデルは、実行可能な技術情報、また、それを視覚化したものとして、コミュニケーションをサポートするツールとなります。

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Maplesoft がデジタル検証環境構築を強力にサポート

システムモデリングとシミュレーションによる柔軟な検証環境

  • MapleSim は機械、電気、熱、流体等の要素を扱うことが出来るマルチドメインモデリング環境です。
  • 対象とするシステムをモデル化することで、目標性能達成のための設計値 (パラメータ) を解析することができます。
  • ドラッグアンドドロップなどのマウス操作で、簡単にモデルが構築出来ます。
  • モデルベース開発の観点から、設計性能目標をモデルとして共有することで、効果的な情報共有が可能です。

設計空間の探索とリアルタイムシミュレーションに最適なシミュレーションコード

  • MapleSim のシミュレーションコードは非常にロバストで、高速実行を強力にサポートします。
  • PIDO ツールなどを用いた設計空間の探索では、これまで以上のケースを、より短時間に実行できます。
  • 高速なコードにより、SILS/HILS などリアルタイムシミュレーションを活用した検証環境構築が可能です。
  • ロイヤリティフリーのコードを生成します。

FMIベースのツールチェーン構築と可視化

  • MapleSim モデルは、FMI (Functional Mock-up Interface)を用いて、Simulink、PIDO ツール、リアルタイムシミュレーション環境など、様々なツールとの連携が可能です。
  • ロボットなどの機械運動をモデル化する場合、MapleSim Insight を活用することで、3D アニメーションを利用できるようになります。これにより、モデルをエクスポートした場合でも効果的な検証が出来ます。

制御設計などに向けたモデル式の生成と操作

  • 数式処理により、MapleSim モデルから、一般的な式、およびマルチボディ方程式を生成することができます。
  • Maple の強力な計算エンジンを用いて処理することで、逆運動学解析やヤコビ行列ベースのアルゴリズムなどの開発・設計を強力にサポートします。
  • モデル式を線形化し、状態空間・伝達関数を求める場合、パラメータを維持するパラメトリックな線形化機能を利用できます。

宇宙システムに関する MapleSim アプリケーション事例

宇宙システム向けロボットアーム

MapleSim では、自由浮体 (Free-floating) マルチボディのシミュレーションを行うことが出来ます。また、高速シミュレーションコードを使用することで、コントローラのテストを目的としたモデルを用いたリアルタイムシミュレーション(HILS/SILS)環境の構築ができます。また、この例では、モデルから生成された方程式を用いて、モーション制御用の逆運動学アルゴリズムを開発しました。

その他の実現可能なトピックス

  • 負荷変動時のロボットアームの関節への影響などの機械的な解析。
  • DH パラメータを用いたロボットアームの構造定義 (個別のカスタマイズプロジェクトとして) 。
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小型衛星の伝熱解析

宇宙システムにとって、熱マネジメントは非常に重要です。この例では、MapleSim とアドオンの Heat Transfer Library (HTL) を利用して、等価回路網法 (もしくは、集中定数法とも言う) によるモデリングを用いた伝熱解析を紹介しています。HTL ではシステムにおける温度分布を 3Dアニメーションとして可視化することも可能です。さらに、このモデルでは、太陽放射、惑星アルベド放射、惑星赤外線放射が、独自で作成したカスタムコンポーネントで計算され、より実際的な環境条件を適用した解析を実現しています。

その他の実現可能なトピックス

  • HTL のサブパッケージを用いた空気と水の流れのモデリング。
  • 熱マネジメント制御の検証。

その他の用途

  • ロボットアーム向け関節モジュールのモータードライブシミュレーションと熱解析。
  • ループヒートパイプ解析(個別のカスタマイズプロジェクトとして)
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