MapleSim 2024.2
油圧ライブラリのリニューアル
MapleSim 油圧ライブラリが新しくなりました。コンポーネントパレットが、業界での一般的な用途に沿った新しいテーマで整理されています。この変更で、油圧システムにおいて効率的なシステムレベルのモデル構築がより素早く行えるようになり、革新的な製品の設計や開発に貢献します
利用可能なユーザー:すべての MapleSim 2024 ユーザー
MapleSim Web Handling Library のアップデート
MapleSim Web Handling Library のアップデート (ウェブハンドリングライブラリ)は、R2R(ロール・ツー・ロール)システムのモデリングに特化した機能を提供するアドオンです。以下に 2024.2 バージョンでのアップデート内容をご紹介します。
- ローラ駆動とウェブ制御戦略
新しく駆動と制御サブライブラリを導入しました。このサブライブラリは、R2R ウェブラインを管理するための張力ループ制御の設計および検証に役立つ、新しいコンポーネントや設定を提供するものです。サンプルモデルもあらかじめ用意されており、シミュレーションを初めて行うユーザーでも、すぐに作業を始めることができます。
- トラフ(シワ)の発生リスクの検討
新機能として「トラフ発生限界アプリ」を導入しました。これを使うとウェブラインの動的挙動を簡単にテストすることができ、安全な運転条件を決定するのに役立ちます。
- スリップ率の計算
滑りを考慮できるローラコンポーネント(Roller Detailed、Contact Roller、Variable Nip Roller など)で利用できるサマリー変数が新たに追加されました。追加されたのはローラの性能の指標として一般的なスリップ率であり、滑りの度合いの確認に役立ちます
- 張力と速度の内部センサ
Sagging Span コンポーネントに、 Span や Converting Span コンポーネントにも実装されている、張力と速度を取得する内部センサ機能が追加されました。
- Summary Limit のアップデート
キャプスタン限界計算のサマリー変数である Summary Limit が再定義されました。従来は滑りの有無に対応して0か1のいずれかの値を示していましたが、今後はローラの牽引能力を0から1までの連続的な数値で表現するようになります。値が1の場合、張力比はキャプスタン限界と同等かそれ以上であり、ウェブがローラ上で滑っている状態を示します。この再定義により、滑りを生じさせない設計をより詳細に検討しやすくなります。
利用可能なユーザー:すべての MapleSim Web Handling Library 2024 ユーザー
MapleSim CAD Toolbox のアップデート
MapleSim CAD Toolbox は、CATIA V5® 、Creo™、Inventor® 、NX™、Parasolid® 、その他CADツールの最近のソフトウェアリリースに対応しています。
利用可能なユーザー:すべての MapleSim CAD Toolbox 2024 ユーザー
MapleSim Insight 2024.2
MapleSim Insight 2024.2では、MapleSim 2024.2のアップデートに合わせたメンテナンスアップデートを行っています。
ご利用いただける対象者:すべてのMapleSim Insight 2024ユーザー
MapleSim 2024
MapleSim 2024での機能の拡張は、シミュレーションの作成や開発にかかる時間や労力を抑え、イノベーションを促進させるものです。
新リリースでは、反復設計のシミュレーションを簡単に実行できるツールの追加や、 Modelica® 標準ライブラリ最新バージョンへの対応、モデル構築をスピードアップできる便利なコンポーネントの追加などが行われています。
パラメータ調整や設計コンセプトの探求を加速させる
- シミュレーションを繰り返し実行する際の時間を短縮
新しく再実行パネルを導入しました。これを使うことで、モデルに構造的な変更がない場合に定式化のステップをスキップし、シミュレーションにかかる時間を大幅に短縮することができます。
- 設計の方針を絞り込む
異なるパラメータ値や初期条件、シミュレーション設定を、シミュレーション実行の合間に素早く適用することができ、設計の絞り込みに、設計の方針を絞り込むことができます。
- より深い分析を行うための Maple ワークシートの追加が簡単に
新しく導入したスクリプトボタンを使用すると、 MapleSim でのシミュレーション結果を使って分析を行える Maple ワークシートの追加や整理を行うことができます。
モデリング能力の強化
- Modelica の最新機能の活用
MSL 4.0.0の機能を利用したModelicaライブラリをインポートすることができます。また、MapleSimの標準ライブラリには様々な新しいコンポーネント(電気、1-Dメカニカル、信号ブロックなど)が追加されました。
- 流量制限を定義できる新しい油圧コンポーネント
流量制限に関して Discretized Pipe, Pipe Bend, Elbow Bend, Change の4つのコンポーネントを追加しました。これを使うことで、湾曲、収縮、拡大をする流れや、場合もモデリングできるようになります。
MapleSim Web Handling Library のアップデート
MapleSim のアドオンである MapleSim Web Handling Library には、ロール・ツー・ロールシステムのシミュレーションを向上させる新しい機能を追加しました。このアップデートで、以下のようなことが可能になります。
- 重いウェブ素材のモデリングの改善
ウェブラインに機械方向のウェブの慣性による影響を考慮できるようになりました。
- ウェブラインのセットアップをより柔軟に行えるようになりました
新しく Start at Equilibrium setting を導入しました。これを使うと、非ゼロ張力の平衡状態でシミュレーションを開始することができ、今までよりも簡単にセットアップできるようになります。
- ニップローラのモデリングの幅が広がりました
新しく Switching Nip Roller コンポーネントを追加しました。これを使うと、ローラー間でウェブの接触範囲の変わるようなウェブラインをモデリングできるようになります。
- 複数のウェブが一つのドラムに巻き取られるモデル
新しいWind Drum コンポーネントでは、一つのドラムに2~4本のウェブが巻き取られるような場合もモデリングすることができるようになります。
アドオン製品に関するその他の改良点
ご利用対象:MapleSim 2024 のリリース時に Maplesoft Elite Maintenance Plan (EMP)にご加入のお客様。(その時点で EMP にご加入でなかったお客様は、Maplesoft の営業担当者にご連絡いただければご購入いただけます)
MapleSim Insightのアップデート
MapleSim Insight は、機械の製造においてシミュレーションベースのデバッグを行うことができるツールで、オートメーションツールに直接接続できる3 次元可視化機能も搭載しています。MapleSim Insight 2024 は、MapleSim 2024 の新機能を使用したモデルにも対応しています。
ご利用対象:MapleSim Insight 2024 のリリース時に Maplesoft Elite Maintenance Plan (EMP)にご加入のお客様。(その時点で EMP にご加入でなかったお客様は、Maplesoft の営業担当者にご連絡いただければご購入いただけます)